赤と青の端切れを黒で繋ぎ合せた奇妙な衣装をまとった彼は白目をむいて列車の先頭に身を躍らせる。
とある朝の通勤風景。
迷惑。
特急列車の頭に居座ると、白い粘液をべっちゃりとあちらこちらに放出。
(なんや自分、手ひどくフられでも、したんか?)。
こんな時間に、都会の真ん中で、満員列車を止めようとは、君、いかな不幸な目におうたか知らんが、やり過ぎやで。
でもあくまで、先頭に居座る。これはよっぽど悪い女に....

で、なんやかんやあって

とうとう列車は止まってしまった。
ああこりゃリンチだ、リンチものだよこりゃ、とハラハラしながら観つめていると、
意外! なぜか優しい人々。 
ゆっくりと両腕を伸ばした格好で、人々の頭上を受け渡されつつ、横たえられる彼。
同情心が車内を満たす。
そうか、みんなも手ひどくフられたことがあるのね。
で、何事もなかったかのように元の仮面をかぶって、


心に傷を負った人々が、寄り添いながら暮らす街。

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)Captain America: The Winter Soldier

DVDで。
キャップってどうも好きになれないなあ。能力はチートだし*1、盾の使い方もバカっぽいし、専守防衛?おまえは憲法第九条か。合衆国の理念の昇華されたオブジェクトとしての日本、とかいうとまさちっぽい。
ヒドラ....。
wikipediaであらすじを読むと、またしてもめんどくさそうだし、次のもDVDでいいや。

*1:単独の映画も好きになれなかった、あの科学者シオニストっぽい

『村野藤吾の建築 模型が語る豊饒な世界』@目黒区美術館

特別講演会:長谷川堯「村野藤吾が私たちに伝えるもの」

さらりっと一周した感じでは、あれ、これ、わからない? みたいに感じた白い構成の群が、四時間にわたったおはなしの後では生き生きとしたものへと変わって。
これが”ひゅーまん・すけーる”の力か。
やはり「ストーリー」、大事ですね。
模型に生気を吹き込む風。

最初、槇先生よくぞ言って下さったと思っていますみたいな枕を立ててこられた時には、ああお年寄りはこれだから、あの話は色々あっても安藤-ザハを支持せざるを得ないというのが筋なのに....とかtwitterで聞き齧っただけの知識でもって、やはり色々柵があると見えるものが見えなくなるんですなあ、と何様な態度で聞いているうちに、一時間、二時間、三時間、ええい興が乗ってきたからもう一時間、とどこまでも続く面白いお話。
終わったころにはすっかり変心して、伊東君? 彼も熱いものを秘めた男だよね、任せてみても....いいかも? (ただし、設計料は出さへんで、村野先生の世界平和記念聖堂の顰に倣ってロハやで、ロハ!)みたいな気になっているので、建築史家凄い。ワセダ侮れない。

以下ケの字も知らない人のメモ。

グロピウスから丹下へのアドヴァイス。
反、というか非=丹下的な建築家の歩み。
建築は基本、悪。よって沈みこませる。
今和次郎の影響。
ファザードの両義性。飾りにすぎない。肌理の大切さ。
大阪新歌舞伎座の発想の元はこれだ!
階段はいい、特に裏から見たところがいい。
数寄屋造りが自然で伸び伸びした感じがするのは育ちのせい? ビックカメラの上に茶室があるとは。

金沢の武蔵ヶ辻の銀行、行ったときに見てた! いいな、と思って写真も撮ってある。
日本生命日比谷ビルとみずほ銀行本店と区庁舎はいつでも見に行ける。
ルーテル学院大学も高輪プリンスも見たい。
グランドプリンスホテル京都と広島の教会がとても見たい。

予習と思って有楽町のビックカメラ眺めてきたんだけれど、目のつけどころが違うんだなあ。窓かあ。反りかあ。
建築をちゃんと学んだ人と一緒に建物巡りとかしたらさぞ愉しいだろうなあ(ほわあああん)。