(きょう 何者かへの感謝をもって/外の世界へ出ていくのだが、)
わー http://www.cinemavera.com/schedule.php?id=179 シネマヴェーラ渋谷、次の特集は芹明香様!(しかも30日には御本人が!!! 行ける人、羨ましいな....
(わたしは傷つくことなく/現実の中を歩いていた。/わたしには 詩を書く必要は/ほとんどなかった。)
(ルッソーは電話などで/悩まされることがなかった)
(メキシコは近くなったが/トウモロコシの神までの距離は/ますます遠い。)
(なぜ この空はきみの/思考などはねかえして快かったのか/そのことをもう一度考える/という手続きさえも)
(都市は小さく縮んだり/大きく成長しようとしたりする)
(女の脚も火掻棒になったり/製図版の木の板になったりす....
(ラウドスピーカーの叫びを信じては/いけない/あれらはすでに死んだことばだ。)
(きみは思考の過ちを/懸命になって求めよ/さもなければ)
(きみの内部に ふたたび/オレンジとオリーブの群落のある/岩原が ひろがり出す)
(「すでに描きはじめています。それは気狂いの隔離場で、/二人が裸で喧嘩をしており、/看守がその二人を鞭でたたき、/他の連中はサックをかぶっている」と/ドン・ペルナルド・デ・イリアルテ宛てに書いた/ゴヤに関心がある。)
(くさい よくにおうアラブ人たちと/小型バスに乗って)
(だがプレヴェールは 詩はトイレットペーパーに書きますと/彼女の申し出をことわった/いじわるでいけない人ね)
(曝されているのは/一体何か)
(バスから見える人々を/愛そうとして はねかえされる。/君はバスから見える/人々を なぜか/愛したい気持ちになり、/その人々を見るのだが、)
鉄柵の前まで行って、そこへ佇んだ。暗い隧道の向こう側にいつもと同じ陽に透き通った若い緑と茶色い土の道が見えた。鉄柵のノブに手をかけて回すと、音もなく開いた。体のやっと入る程に開き、中を覗き見るようにしながら一歩二歩湿った土を踏んで奥に入った。出口の向こうの明るさにすい寄せられるように歩いた。真ん中辺まで来た時、首の後ろに気配と鈍い衝撃を感じた。それきりだ。
(上(かみ)の山) 赤湯温泉の芸者M子さんは/「白き山」の斎藤茂吉を、/サイトウ・モキツという。/モキツのお座敷に出たこともある彼女は、/われわれをさんざん笑わせ、/実相観入の面持で黒田節をおどり、/ついで当節のバーの女たちへの/痛烈な批評にうつった。)
飯島耕一・詩と散文〈3〉ゴヤのファースト・ネームは バルザックを読む
- 作者: 飯島耕一
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る