藤森照信の茶室学―日本の極小空間の謎

藤森照信の茶室学―日本の極小空間の謎

(磯崎:プランでお茶室が発生する状態を見たら、これは書院造のきちんとした端っこにちょこんと付いている盲腸ですよ。いらないものなんだけど、くっついているっていうのがお茶室なんじゃないか。そうするとその盲腸をいったいどう扱うのか。
藤森:盲腸であり、尾てい骨である(笑)。何かを伝えてはいるんですね。
磯崎:僕の盲腸はもう切られちゃったけれど、漢方では切っちゃいけないって言いますね。あれは生態を維持する見えない役をしているんです。建築におけるお茶室の作用のメタファーは盲腸っていうのはあるような気がしますね(笑)。
藤森:どういう働きをしているのかまだ分からないけど。時々物が詰まると炎症を起こす(笑)。
磯崎:それは当たってるよね。)