『絵画の時間 24のエピソード』@ブリジストン美術館

久々の銀座はどこもここも休み。カッぺどもめ!!!!(by山だし)

しかたがないのでブリジストンへ。
絵に時間があるのなんてあたりまえじゃないですかやだなあ改まってとか言うほど真面目にキャプションを読まなかったごめんなさいでもどうでもよい。
ミレーのあの絵が出ているかと思ったけれど出ていなくてがっかり。
ボナールの第一次大戦後が出ているかと思ったけれど出ていなくてがっかり。
(ちゃんと調べなさい)
スーティンの「大きな樹のある南仏風景」(1924)。
前から好きだったけれど、今回は特にじっくり観た。
これとセザンヌの山(1904-06)を合わせて、二枚立てでみると面白いかも。セザンヌのはこの晩年の青の使い方について、高松次郎の書いた文章を読んだばかりだったので余計に興味深く観た。青味が増していく緑が筆致の中で山の輪郭線を侵してゆく、けれどそこには黄土色の建物(なんでノワールっていうんだろう)が画面を現実?にピン止めしている。その否定したはずの輪郭(というか直線)、とはいったい何なのか? 文明、とか人工、とか考えてしまうとつまらない。
一方スーティンの絵も、ある種、自然と建築の戦いだ。美しい緑の渦巻き。茶系の美しい色合いの上の白い化粧の可憐さ、かわいいちいさなおうち。渦巻きに巻き込まれないようにと橙の輪郭線の欠片の対抗力、人影。緑の力の背後にはここにも"青"が、色彩遠近法、到る所に青山あり?
面白い絵の基準を長く観ることが出来ることに置く人がいてそれはとても納得できる意見だが自分の場合は特にある種の力の拮抗が観られるときに(野次馬的精神で)一番面白く、そして長く観ることが出来るのかもしれない。

他にはマティスの必殺「コリウール」、デュフィの可愛い果物籠、劉生の愛妻南瓜、コローはいつかまとめて観たい、そしてエジプトのホルス神のレリーフの大理石の感じ。
長々と居て疲れた。