『岸田吟香・劉生・麗子 知られざる精神の系譜』@世田谷美術館

吟香(googleの検索予想で知ったが日本で一番最初に卵かけご飯を食べたと云われているらしい)が援助していたという由一の『甲冑図』、じーっと観ているとお胴のところに、キティちゃんが一匹、二匹、三匹.....って、いかんいかん、もっと真面目にやらなければ。目薬さしてやり直しだ。

劉生は二十歳にしてすでに完成されていて、『築地風景』の路面の紫がかった白灰系の美しさ、良い。やはり文化資本の差って大きいよな.....『壺』は近美の『泥とジェリー』展(面白かった!)に出ていたやつの姉妹作、これも好きだ、というより早すぎる晩年まで続く一連の静物画、すべてが本当に素晴らしい。落ち着き。
ほかには"ばけものづくし"が興味深い、ただの洒落とも思われず、岡粼乾二郎のa-thingsでのポンチ絵(面白かった!)にも通じるものがある、線、キャラ、歴史、等々。

でも、一番面白くて感動したのはなんと言っても麗子。
10代から、いや0年代からすでにして完成されていて(しかも未完成の魅力もあって)、自画像にあるスター性、『おさばき』にある物語性、そしてお姫様たちを書いた一連の群像図の何ともいえないデリシャスな魅力、麗子偉いぞ、麗子いいじゃないか、麗子お次はそう来るのか、麗子そこまでやるのか(ハラハラ)、とすっかり父親目線(『図画教育論』)で感嘆感心してしまったが、親バカではない(つもり)なので(実際、成人して独り立ちをしてからも油断のならない画風を維持し続けていた)、気になった方は是非用賀へ足を運んでみては如何。
日曜日まで。